隣の星の新くん
どういう理由でアラタが嘘をついたのか分からない
優しいアラタだから、だからこそあたしを守るための嘘なのか、あたしを傷つけないための嘘なのか
出会った頃から変わらずに優しいアラタは、どんなことがあってもあたしを傷つけるようなことはしない
なら守るため?
何から?
同じ目線に立っているって思っていたのに、やっぱりあたしは守られていたんだろうか
幼いころと変わらずに
それともアラタにこの気持ちを気づかれていたんだろうか
ずっと大好きなアラタの隣に居たくて、よっぽどの理由がない限りは側を離れなかった
でも本当は鬱陶しくなってて言えなかったから…とか?
何が本当なのか、何が嘘なのか、どこからが嘘なのか
もう分からない
アラタ…、単純なあたしの頭じゃ分からないことばっかりだよ
どんな嘘にしても、あたしと距離をとろうとしたってことは分かる
そのことが途轍もなく苦しくて、哀しくて、あたしがまた自覚してしまった気持ちのやり場が無くなってしまった
何とか落ち着いた涙、無性に家が恋しくて、あたしは店を出ようと出口を目指した
「真緒ちゃんっ!?」
レジの近くを通り過ぎようとしていた時、颯くんに呼び止められた
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