隣の星の新くん




きっと今までで一番早く走れたって自分を褒めたげたい



ちらっと後ろを確認したけど、アラタはいなくて撒けたんだと思う



家に飛び込み、自分のベッドに体を埋めた



「…ふっ……ぅえっ…」



温かさに、涙腺が緩む



決壊したように流れる涙は、枕をひんやりと濡らしていく



アラタと離れなきゃ



そう心の中でつぶやき続けた



頭の中で、アラタのいないこれからを脳内シュミレーションを繰り返してみる



やっぱり…



そう思うけど、離れなくちゃ



アラタがしたように距離を取らなくちゃいけない



例え、嘘を吐くことになっても



重たい頭をどうにかしたくて、寝返りをうつと同時に、割れるような音が響いた



バァーンッ



地響きが近づいてくる



ドンっ



「真緒っ!!!」



息を切らしたアラタが、珍しく声を荒げて立っていた



アラタ断ちしようとした瞬間から、本人に会ってしまった














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