隣の星の新くん




久しぶりに来た真緒の部屋



まさかこんな形で入ることになるとは思ってもみなかった



「真緒っ!!」



ノックもなしに入ると、真緒は驚いた様子で顔だけこっちに向ける



目が赤い



またたくさん泣かせたみたいで、胸が軋む



一歩踏み出すと、真緒は顔を伏せて声を大にする



「それ以上近づかないでっ!!」



自分がこれからしようとすることまで、拒否されたみたいな気がして、心が重たくなる



ここまでの状態にしたのは自分だから、文句は言えないんだけど



「真緒」



宥めるように、声を落ち着かせて名前を呼ぶ



「真緒、少し話しを聞いてほしいんだ」



少しずつ距離を詰める



ベッドの端に腰掛けると、真緒の体が小さく動く



暫くの沈黙



目の前の真緒が脆く崩れてしまいそうで、触れたくて伸ばした腕は空を切る



「真緒、顔見せて?」



「やだ。今酷い顔してるもん」



「それでも顔、見たい」



「やな奴」



渋々といった風に、顔を上げるとふてくされたように口が尖ってる



頬に触れると、真緒の大きな目がこちらを見上げる



やっと真緒に触れられた



気持ちが決まった瞬間から触れたくて仕方なかったから



「アラタが優しすぎるから…だからアラタ離れできないんだからね」



「離れなくていいよ」



「そうやってまた甘やかすっ!」



「甘やかしちゃダメ?」



「ダメじゃないけど…甘やかしといて、距離置くなら余計辛い」



甘やかすなって言われても、それは無理な気がする



無理だ



とことん甘やかせたい



真緒の手を握ると、いつもより遥かに熱い









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