隣の星の新くん



「今の言葉、すんごい嬉しい。一生忘れない」



もし、この気持ちを受け入れてもらえなくても



この気持ちを口にすることで、今までと一緒じゃいられなくなっても



真緒の綺麗な瞳の中にキラリと星が見えた気がした


「俺の気持ちも聞いてくれる?」



こくりと頷き、真緒は真っ直ぐ俺を見る



「俺、出逢ったときから真緒が好き。多分一目惚れ」



それだけ言うと、真緒は驚いたのか目をぱちぱちさせている



握った小さな手が緊張してるのが分かる



「親もいないし、いっぱい迷惑かけてる家の子なのに、独り占めしたくて仕方なかった。どうしていいか分からなくなって飛び出したんだ」



「友達んちとか、野宿してた。途中でタクさんにお世話になって、今は颯んちにお世話になってる」



「嘘ついたのは、俺のワガママで真緒を失いたくなかったから。それと心配かけたくなかったから。野宿なんて言ったら殴るだろ?」



そう言うと、真緒は握られたままの手で俺の膝を叩く



真緒の大きな目から大粒の涙がぼろぼろ零れていく



それを綺麗だと不覚にも思った



いつでも人のために流す真緒の涙は綺麗だ



「あたしもっ…アラタがずっと好きだよ」


体中の水分を出し切ってるんじゃないかと心配になるほど、大きな粒が零れていく



そっと真緒の手から離し、涙を一つずつ拾う



真緒の言葉は素直に胸に染みた



自分の気持ちを受け入れてもらえるって想いが、じんじんする



今、死んでもいいや



……ってのは嘘だけど



それぐらい幸せだと感じる










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