隣の星の新くん
「真緒」
名前を呼ぶ声に、緊張が混じる
真緒も感じとったのか、涙がゆっくり止まる
「真緒に触りたい」
「触っ!!!?」
「うん」
「あのっ、ぜひ「でもお預けかな」」
「ぷっ」
是非って…
真緒の許可が出たし、今まで近寄れなかった分距離を縮めたい
だけど、まだ大切な人に伝えてないことがある
ちゃんとやることはやらないと、何もかも失ってからじゃ遅いんだ
「真緒、芯に分かってもらわないと。俺らの大切な幼なじみなんだから」
恥ずかしかったのか、先を読み過ぎたのか、顔を真っ赤にした真緒は、真剣な目をこちらに向ける
人と関わるのが上手じやない俺に、根気強く接してくれたのは芯だった
初めて笑った日、芯がとても喜んでくれたのを忘れることはできない
俺が逃げ出したときも、真緒を支え続けてくれた人
きっと俺と同じくらい大切に思ってきたはずだ
「一緒に行こう。分かってもらえるまで何度でも。芯がそうしてくれたように」
「うん」
そう頷き、顔を上げる
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