隣の星の新くん




ぼおっと桜吹雪を見ていると、ふと横に人が座る気配がして横を向く



「真緒」



「アラタいつからここに居たの?」



「うーん、いつからだっけ?」



「ここの桜好きだよね、でも言っておきたいことがあるんだよね」



「うん?」



アラタはぼおっと桜を見ている



アラタは幼いときから桜が大好きで、特にここの桜を見るのが好き



野生の勘なのか、なんなのか、あたしの高校の桜の満開から散り始めの時期を察知して、こうしてちょうどいいタイミングで現れる



でも、小さなときならいいけど、今は・・・



「あのさ、今何時か知ってる?」



「えっと」



そう言いながら腕時計に目をやると、アラタは困ったように笑うと立ち上がり膝を払う



「なんかさ、この時期だけは学校行きたくなくなっちゃうよね」



「そうだね」



「惜しいけど、それが綺麗」



「うん」



そう言うと、あたしの手を引き上げ、歩き始めた




















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