。*王子たちの恋姫*゚
「あたしはねー。氷の王子がいいな」
ちーちゃんが『王子』の話をしゃべっている間、
頬杖をついて、『王子』を見ていた。
一番豪華な席に座って、コーヒーを頼む。
三人で何か話してるみたい。
周りの女子は、相変わらず熱い視線を送る。
「あ…」
しばらくして、『王子』たちの側を通った女の子が、
つまづいて彼らの一人に水をかけてしまった。
その瞬間に静まり返ったカフェ。
ちーちゃんも、それに気がついて話を止める。
…この空気、何?
たかが水を王子にかけてしまっただけで、この静まり…
水を持っていた彼女は青ざめて、
周りの派手な女子はにやにやしている。
すごく、いやな予感がした。
.