雪の王子様
「あゆか!」
武彦は私を抱きしめてくれた。
この温もりは落ち着くし、大好きだけど
胸が苦しい。
「武彦おぉー………結婚しちゃヤだあー……!」
「ごめんな。」
背中をポンポン叩きながら謝る武彦はきっとNOしかくれない。
私がいくら結婚を嫌がってもきっとYESとは言ってくれないだろう。
「武彦の馬鹿!いつか私を選ばなかったこと、後悔するんだからね!」
「あぁ、後悔させてくれよ?」
「私、良い女になるから!」
「あゆかは十分良い女だよ。」