隣の男子は秘密のイケメン君
エリサと再会してから一週間。
未だにこの間の事を瑠華に言えないでいる。
自分でも何をびびってんだかわからん。
依頼の期限までまだまだあるし、エリサとはしばらく会わないだろうと安心しきっていた。
「琉生!ちょっと」
教室のドアから手招きをしながらイチが呼んでいる。
「なんだよ。教室入ってこいよ」
「あのさぁ、最近変わった事なかった?」
「は?」
「琉生のマンション近くで見たんだよ。アイツ…エリサ。サングラスしてたけど、多分そうだと思う。マズいんじゃねぇの?」
「たまたまだろ。マンション知らねぇはずだし」
「わかんねぇけどさ。もしマンションに来て瑠華ちゃんと鉢合わせでもしたらさぁ…エリサの事だから何すっかわかんねぇじゃん」
「アイツにそんな暇なんかねぇと思うけどなぁ。まぁ、気ぃ付けるわ。わりぃな」
「瑠華ちゃん、傷付けんじゃねぇぞ」
「わかってるっつーの」
俺には、エリサがそこまでするとは思わねぇんだけど。
でも、また何かあってからじゃ遅い。
イチからの忠告、真に受けなければいけねぇな。
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