隣の男子は秘密のイケメン君
アタシはそのまま電話の会話を聞き続けた。
「家に帰ったらすぐそっちに送りますから。では」
アタシには意味不明な会話だった。
でもいい曲だったな…。
初めて聞いた曲だけど、バラードっぽくてすごく落ち着く曲。
瀬野がいる事なんか忘れて、さっきの曲を思い出していたら…
「おい」
「へっ!?」
瀬野が目の前に立っていた。
「へ、じゃねーよ。お前いつからそこにいた?」
「えーっと…少し前?」
首を傾げながら答えるアタシに瀬野は呆れている様子。
「俺が聞いてるんだけど。少し前って…もしかして歌聞いた?」
ここは正直に言うべきだよね?
「聞いた。途中からだけどね。いい曲だね」
「あたりめーだ」
そう言いながら瀬野は出入り口へと向かって行って…
「じゃーな。早く教室行かねーともう次の授業始まるぞ。瑠華ちゃん」
そのまま去っていった。
てか、何でアタシの名前知ってんのー!?
.