隣の男子は秘密のイケメン君

授業が始まると同時に戻ってきた琉生。



席に着いた途端に何かをノートに書き始めた。



詩でも思いついたのかな。



こうしてる時は何時になく真剣。



携帯じゃなくてノートに書くってとこが、また琉生らしい。



前に電源が切れて、打ってた詩が全部消えちゃったんだって。



「何見とれてんだよ」



そう言って横目で見る琉生が好き。



アタシ、琉生の流し目に弱い。



「琉生の真剣な表情間近で見れるのって、学校にいる時だけだからね」

「そぉか?」



鼻で笑い、またノートに目を移した。



仕事部屋にいる時の琉生には絶対に近づけないからさ。



入っちゃいけないような空気が流れてるもん。



だから遠くで見つめる事しかできない分、学校では近くで見たいんだ。




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