隣の男子は秘密のイケメン君

いちごオレを飲み干し、アタシにも挨拶をして香坂さんは帰って行った。



香坂さんが使っていたグラスとコースターを片付けてる時のこのモヤモヤとした気持ち。



アタシ妬いてるんだ…。



でも香坂さんがいい人過ぎて、逆に自分に腹が立つ。



イライラしながら洗い物をしていた時だった。



「何膨れてんだよ」



アタシの腰に手を回し、そう囁く琉生。



「超妬く…。琉生はアタシのだもん」

「そうだな」

「香坂さん、素敵な人だね」

「まぁな」

「ちょっとは否定してよ」

「俺は瑠華だけだからな。はい、これ」

「ん?」



いきなり後ろからアタシの目の前に出されたものは鍵。



「ここの合い鍵。なくすなよ?」

「えっ、いいの〜?ありがと〜!」



アタシはクルッと琉生の方を向いて抱きついた。



琉生もそれに応えてくれて、さっきまでイライラしてたのが嘘みたいに消えた。



琉生はアタシの機嫌を直してくれる天才だね。




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