隣の男子は秘密のイケメン君

気付けばいつの間にか手を引かれてるアタシの手。



ダメってわかってるに彼のペースにどんどんついていってしまうのはなぜだろう。



後ろを振り向けばタオルまでブンブン振り回して踊ってる真理が見える。



その姿も少しずつ遠ざかってアタシの足元には冷たい海水。



更に海の奥へと入っていこうとした時だった。



「瑠華!!」



遠くの方から走って来る琉生とイチ君。



イチ君は真理の方へと方向を変えて琉生だけがアタシの元に来た。



「急にいなくなんなよ。行くぞ」

「あ、うん…」



手を引っ張られ戻ろうとした時だった。



「ちょっと待てよ。放っておいてそれはないんじゃない?」

「悪いのはわかってます。でもコイツは俺のなんで」



そう言ってナンパ男の元から離れた。



手は繋がれたままだけど、一言も話さない琉生。



怒ってるって事だけがひしひしと伝わってくる。



自業自得だ…。





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