【長編】JEWEL BOX
駅前
「ちょっとはやく着過ぎちゃったかなあ」
ケータイの画面を見ながら独り言。
でも、もう7時半。
約束した時間なんだけどなあ。
「ハァ…陽菜…チャン?」
「晴流クンっ、大丈夫!?走って来たの!?」
「ちょっと、
行きたいとこがあったからね」
「ほんとぉに大丈夫?」
「うん、もう平気」
膝に当てていた手をポケットに運んだ晴流クン。
「えーっと…あった」
?
なにがだろ?
「手だして?」
そう言った晴流クン。
わたしは手を出した。
「あっ」
わたしの手の平にコロンと、落ちてきたのはーー
「指輪…?」
「ちょっとはやく着過ぎちゃったかなあ」
ケータイの画面を見ながら独り言。
でも、もう7時半。
約束した時間なんだけどなあ。
「ハァ…陽菜…チャン?」
「晴流クンっ、大丈夫!?走って来たの!?」
「ちょっと、
行きたいとこがあったからね」
「ほんとぉに大丈夫?」
「うん、もう平気」
膝に当てていた手をポケットに運んだ晴流クン。
「えーっと…あった」
?
なにがだろ?
「手だして?」
そう言った晴流クン。
わたしは手を出した。
「あっ」
わたしの手の平にコロンと、落ちてきたのはーー
「指輪…?」