【長編】JEWEL BOX
わたしはそう言い残して部屋を出た。


夢中で走った。

大嫌いじゃない。
大好きだよ。


でも、今の晴流クンはーー


「大嫌い…」



ーードンッ


「きゃっ」


勢いよく人にぶつかってしまった。


「痛たたた…」


ツイてないなあ。



「大丈夫?」

スッ

っと、手が伸びてきた。


「あ、スイマスン…」

「陽菜?」

え?


上を見た。


< 30 / 37 >

この作品をシェア

pagetop