【長編】JEWEL BOX
取りあえず、ちょっと小走りで、駅前に向かった。


「うわっ、走りずらっ」

やっぱり、
高いヒールだと、急ぐにいそげないなぁ。

ま、大丈夫か。



ー13分後ーー。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ…」


なんとかついた。

さて、沙緒里はどこだろおなあ。




あたりをキョロキョロと見回す。


あ。いた。

「沙緒里ーーっ」


「おっやっときた!」


やっと、って。
あんた、わたしの家、駅から遠いの知ってるくせに。

「さ、行こ!」

と、沙緒里はあるきだした。


「寒い…」

「大丈夫?」

「うん…わたし、冷え症だから、すぐ冷たくなるの…」



冷え症と言うより、ただの寒がり。
わたし、熊谷育ちなんで、寒いの苦手っす。


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