秘密のお勉強会
そう言ったにもかかわらず、雅人は何か訴えかけるような目で俺を見てくる。
「……後で返せよ。」
ため息をつきながら言ったのに、雅人はヘラリとした顔ではーいと間延びをした返事をしただけだった。(倍額請求してやろうか)
Pululululu……
今時珍しい着信音1(初期設定のまま)の音がする。
この着信音はまさしく雅人の携帯だ。(以外とめんどくさがりだしな)
「はいもしもし、雅人です!
……母さん?」
アホみてーな出方すんなよ。とか思ったが、雅人の言葉に俺は振り返る。
金だけ店員に渡して、バックレようとしたのに腕をものすごい力で捕まれた。
「もちろん、雄二も一緒だよ!」
ニコリと笑うその顔は、地獄に堕ちるなら一緒にね とでも言われそうなものだった。