秘密のお勉強会
「やばいやばいやばいーっ!!」
木製の階段を急いで駆け降りる。
目覚ましを見たら7時20分。あと15分で学校がはじまる。
こんな寝付けのわるい朝、私ははじめてだった。
「あら、もういったかと思ったわ。」
美味しそうな匂いを充満させながら、お母さんがのんびりとそんな事をいった。
パリッとウィンナーが焼ける音がした。
「もーやだーっ!!
お母さん私今日朝ご飯いらなぁい!!」
「はーい。
お父さーん朝ご飯出来ましたよ〜。」
急いで制服を着替える娘を尻目に、お母さんとお父さんはイチャイチャタイムだ。
遅刻するわ、みたくない映像みちゃうわで、今日の朝は最悪だった。
「結菜ー! 今日は早く帰ってきてね!
家庭教師の方がお見えになるんだから!」
「はーい」
―――お母さんの言葉が、頭から離れなかった。