秘密のお勉強会
Lesson.2
名前呼応
「こんばんは。」
「こんばんは……。」
何となく気まずくて、ついつい視線をそらしてしまった自分が嫌い。
雅人さんは気にしてないように笑って私の部屋へと歩いていく。
雅人さんの大人な対応にムッとして、でもホッとして、言いようのない気持ちが私を支配して、そんな私を心配したのか、雅人さんが私を手招きしてくれた。
私が隣に並ぶと、雅人さんが困ったように笑いながら、私に話かけてきた。
「昨日は電話にでれなくてごめんね。
ちょっと、色々と対応しなくちゃいけなくなっちゃってさ。」
雅人さんの顔からは、ひそかに疲労したような色がうかがえた。
「えっ、あのっ! 私、いつでも電話待ってますから!!」
ビックリしたような顔をしてから、雅人さんは、
「ありがとう。結菜ちゃん。」
会った時のような笑顔で、笑った。
「結菜ちゃんは、結構大胆なんだね。」
またもや、私が人様に大胆な事をしてしまったと気づく。
赤らむ頬を隠そうと、冗談まじりに雅人さんの肩を叩く。
「もー、からかわないでくださいよ!
先生」
ピシッと、雅人さんが固まる。
(アレ?私、悪いコトいった!!?)
私が焦ると、雅人さんはそれはもう、ゆっくりと振り向いた。
「雅人って呼んで?」
至近距離で見つめられて、うまく息ができない。
「まさ、とさん」
「雅人」
「まさ、と」
「うん、そう、よくできました。」
壁がなかったら、きっと私は後ろにのけ反ってしまっていただろう。
「こんばんは……。」
何となく気まずくて、ついつい視線をそらしてしまった自分が嫌い。
雅人さんは気にしてないように笑って私の部屋へと歩いていく。
雅人さんの大人な対応にムッとして、でもホッとして、言いようのない気持ちが私を支配して、そんな私を心配したのか、雅人さんが私を手招きしてくれた。
私が隣に並ぶと、雅人さんが困ったように笑いながら、私に話かけてきた。
「昨日は電話にでれなくてごめんね。
ちょっと、色々と対応しなくちゃいけなくなっちゃってさ。」
雅人さんの顔からは、ひそかに疲労したような色がうかがえた。
「えっ、あのっ! 私、いつでも電話待ってますから!!」
ビックリしたような顔をしてから、雅人さんは、
「ありがとう。結菜ちゃん。」
会った時のような笑顔で、笑った。
「結菜ちゃんは、結構大胆なんだね。」
またもや、私が人様に大胆な事をしてしまったと気づく。
赤らむ頬を隠そうと、冗談まじりに雅人さんの肩を叩く。
「もー、からかわないでくださいよ!
先生」
ピシッと、雅人さんが固まる。
(アレ?私、悪いコトいった!!?)
私が焦ると、雅人さんはそれはもう、ゆっくりと振り向いた。
「雅人って呼んで?」
至近距離で見つめられて、うまく息ができない。
「まさ、とさん」
「雅人」
「まさ、と」
「うん、そう、よくできました。」
壁がなかったら、きっと私は後ろにのけ反ってしまっていただろう。