俺サマ執事のお気に入り
「ん?‥どうした朝比奈」
私の視線に気づいた陽輝くんが話しかける。
交わる視線。
少し低い声…。
笑った顔がまた優しい。
心配そうに見つめるその視線は、とても温かい。
いつも学校では見せない君の表情にドキドキ去れっぱなし。
この微かに胸が苦しくなる気持ち‥
これはいったい、何の気持ちだろう……
「なんだよ‥人の顔ジッと見て」
フッと軽く微笑む。
その笑顔にまた胸が踊りだす。
ドキドキと心臓の音が聞こえぬよう、私は冷静を保って口を開いた。
「は、陽輝くん!わ、たし‥重くない??」
心の奥で気になっていたことを少し小声で話す。
私の声にチラッとこちらを見る陽輝くんは意地悪い笑みを浮かべた。