俺サマ執事のお気に入り
そう言いながら陽輝くんは、また道を歩き始めた。
え‥!
陽輝くん‥私を褒めてる‥?
私はうずくめていた顔を上げて陽輝くんを見つめた。
「お前、それよりお腹の具合大丈夫なのか?」
陽輝くんは、私の顔をチラッと見て、話題を変えるように話し出した。
あ‥そうだった。
今、お腹が痛いなんて嘘の演技してたんだっけ…。
「え‥?あ、たぶん大丈夫…」
「何だよ。曖昧だな…。まぁ、もう少しで着くからな」
陽輝くんは独り言のように呟いて、道の先を見つめた。