俺サマ執事のお気に入り
私は一呼吸置いて、陽輝くんに話し出した。
「あの‥陽輝くん。嘘ついて、ごめんなさい!」
私はその言葉と共に頭を下げた。
「は‥?嘘ってなんだよ…」
動揺を隠せない陽輝くんに私は頭を上げ、陽輝くんの様子を伺いながら話す。
「あのね…さっき私がお腹が痛いって言ったのは、演技で‥
それは、錬くんと陽輝くんを仲直りさせたくって嘘の演技をしたの」
「………」
私は黙ってしまった陽輝くんの顔を見ることができずに、下を向いて次の言葉を待った。
陽輝くん‥怒ってるかな?
私が今まで黙っていたこととかー‥
「ふーん。お前は今まで俺を騙してたってことか…」
予想以上に冷ややかな声が振ってきて、私は慌てて謝る。
「ほ、ほんとうにごめんなさい!」
やっぱり、怒ってるよー!!
ど、どうしよ…。