俺サマ執事のお気に入り
初めまして、執事です。
「………っ」
上から甘いキスが舞い降りた。
何度も、何度も。
壊れそうなモノを優しく触れるように。
それは甘く、甘く…。
真っ赤な果実のような甘酸っぱいキスを……。
唇いっぱいに感じたー……。
陽輝くん‥
何でキスするのーー……?
ー‥バンッ!
意識が朦朧(モウロウ)とする中、ドアの扉が勢いよく開いた。
その音に驚き、陽輝くんは優しく唇を離す。
その勢いに私は体制を直し、目線をドアに向けた。
「おい、陽輝!何やってる!!」
低い怒鳴り声が部屋に響く。
見ると一人の男性が立っていた。
スラリとした足に、ピチッとした黒い征服を身にまとっている。
年齢は‥30代後半ぐらいに見えた。
この人、誰だろう‥?
ここの執事さん??