紅に染められて
「あれ?おかしいね……確かそれはゴミの日に捨てたはずだったんだけど……」
後々聞いた話によるとこのチラシは遊び半分で書いた物だったらしい。どんだけ暇だったんだろうか、この人は。


そんな中、高校を中退してしまった俺は何をする訳でもなく、公園に来た時、偶々このチラシを拾ったというわけだ。
高校を中退したばかりで何をする気にもなれなかった俺は、予想外な時給の高さに惹かれ、この事務所に吸い込まれるように来てしまったのだった。


「……まあ人手不足な事に変わりはない……というか私しかいないんだけどね、雇ってあげてもいぃんだけど、何しろここにくる仕事は銃を使う危険な仕事ばかりでね、チラシにも書いてあるだろう?危険だって」


一番最初に思ったのは、この美人の方の事である。
一瞬見とれるほどの顔立ちで、青いスーツでびしっと決めたその姿は才色兼備を思わせる。


ちらりと、チラシに目を入れる。
言われた通り右下に小さく、『危険』という少し歪な文字が書き込まれていた。


それは言われるまで気付かないほどで、俺も今気付いたぐらいだ。


いやはや、こんな事をする意味がまったく皆無である。
どうやら性格の方はあまりよろしくないらしい。
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