紅に染められて

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静かな夜に響く、大きな二つの足音。


夜の住宅街を男は走っていた。後ろから追いかけてくる奴に捕まらないように、必死に……必死に……逃げていた。


手には凶器、捕まれば間違いなく殺される。


足が重い。
かなり長い距離を走ったはずなのに、後ろの奴は少しもバテることもなく追い掛けてきていた。


その差は徐々に、徐々に、縮まっていく。
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