隣に居させて [短編]


とりあえず、泣き止まなきゃ。もうヒロ君も家に着いてるよね?私も帰ろう。



そう思って涙を止めようとするのに、なかなか止まってくれない。



そのとき、



「…ねえ」



と声をかけられて。

ヒロ君かと思ってタオルを避けて前を見てみると…



「わ、かわいくね!?」

「…やっば!」



知らない男の人が3人、前に立っていた。

…また。
ヒロ君のはずないのに。



私は立ち上がってそこから離れようとした。



「…あれ?」



腰が抜けちゃったのか立つことが出来ない。



「ど〜して泣いてんのっ?」


と気安く話しかけてくる。



「…別に。何でもないです。」



目を合わせないように呟く。
腰抜けてなければ、すぐに逃げれるのにっ…



「あ!わかった!暴力彼氏とか!だめだな〜こんなかわいいのに♪」


「まじで!?ありえないんだけど〜」


「だってほら、これ!」


と、一人の男が私の頬を触る。



「…やめてっ!」



私がその手を振り払うと



「またまた〜そんなこと言っちゃって!ほんとに嫌なら逃げてるっしょ♪」


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