隣に居させて [短編]
購買に着いた時にはもうすでに1分過ぎちゃってて、『2分以内って無理だよね?』なんて考えながら、今日もおごるんだろ〜な〜って諦めた。
でも、急いで買って走って戻ってみると、ヒロ君は男女3、4人で教室話してた。
「…ヒロ君!買ってきたけど…」
ヒロ君と話してた女の子がこっちを見る。
「あぁ。残念、時間切れ〜」
そう言ってにやっと笑うヒロ君。
「あー…うん!ごめんね、遅くなって!」
笑顔を作ることしか出来ない私。
「トロい奈都には、今日の掃除当番かわってあげるね?」
こっちを見てた女の子がくすくす笑ってる。
「…あ、うん!じゃあやっとくね!」
そうやって笑って答えるのが精一杯。
くすくす笑ってる女の子に何か言うなんて、絶対出来ないし。
ほんとは悲しいけど、ヒロ君の前で泣くなんて、絶対やだ!
からかわれるのがオチだろう。
席に戻ってからは紗智が何か言ってたけど、私は全然聞いてなかった。