隣に居させて [短編]
ヒロ君はわざと…私が嫌がるようなことしてるんだよね?
幼稚園のときは、いっつも一緒にいて、小学生のときだって一緒に登下校したりしてた。
だんだんヒロ君が、私に冷たくなっていったのは、小学6年生のときくらいかなぁ?
一緒に帰ろ、って言ったら「今日は無理」って言われて。
それから何回も誘ってみたけど、全体断られて。学校で会っても話してくれないし。
それでやっと気付いた。
避けられてるんだな、って。
その頃は避けられたことがショックだったけど、まぁ、それだけだった。
好きだって気付いたのは中学校入ってから。ヒロ君の態度は変わんなくて、彼女が出来たってことも噂で耳にした。
彼女が出来たって聞いて、私なんか、苦しくなっちゃって。ついこの前まで、ヒロ君の隣には私がいたのに。
彼女なんかじゃなくても、ヒロ君の隣に居られたから、それでよかったのに。
なんで「避けないで」っていえなかったんだろう、ってすっごい後悔した。
その後、ヒロ君に話しかけて、ほんとに彼女がいるのか聞いてみたんだけど…