夏のそら
『きみ。こんな夜になにしてんの?』

…えッ?
そこには私と同い年ぐらぃの人が立っていた。
顔は鼻筋がとおっていて、目はぱっちりしてちょっとガラの悪い人だった。

『どぅしたん?』
といって隣に寝てきた。

『お父さんとお母さん離婚するんだって』

…ポロッ
また涙があふれだしてきた。

『そっかあ…。



空みてみぃ。』

そぅ言われて空を見た。

『きれぃやでなあ…
俺もあんなぇ輝きたぃわ…
俺なあ。お母さんもお父さんもおらんねん。でもなあ空見たら落ち着くんよなあ。
この空とか星はどこまでも続ぃてて世界中のみんなをみてるんゃで?残酷なとこも、悲しいとこも、幸せなとこも…。
でもあんなぇ綺麗ゃし、輝ぃてる。
強いよなあ…。
だから見たら勇気もらぇるんよな。』


空をそんなふうに見たことはなかった。

『だからさあ。
がんばってみたら?人生は一回きりやし。
離婚するってのは一つの壁や思て。乗り越えてみたら?おまえやったらいけるで!』


『ぅん…』
私はそぅ返事した。
この言葉を信じて。

『んじゃ俺もぅ行くわ』

『まって!!
えっと…なんかありがとぅ。
壁乗り越ぇるから!!
空みたぃに強くなるから!』


『おぅ。がんばれょ!』
そぅ言って彼は暗闇に消えた。

私も帰ろ。そぅ思ってまた空をみた。

『ありがと。夏のそら。これからもがんばれ。私も強くなるから見てて。』
といって足を踏み出した。

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