会えた日~いつの日かの続編~
カチカチ…


そして私に体験した事もないような痛みが体を貫いた…


陣痛なんて、こけて擦りむいたぐらい可愛い痛みに思える…


『いったぁー!』


そう言葉にした瞬間、ドバッと何かが出たような感じがした…


それと同時に、一気に頭が真っ白になった。


『新川さん!新川さん!しっかりして。』


その声もすごく遠く聞こえる…


それからは、所々しか覚えてない。


手術室に運ばれ酸素マスクをされた…


その時、私に何がおこってるのか分からなかった。


遠のく意識…


呼ばれる名前も


何を言われても、返す言葉もない…


動く力もない…


指先を動かす事さえも出来ない…


それから、どの位の時間が過ぎたかは知らない。


PM6:39に赤ちゃんが生まれたのは覚えてる。


私に何が起きてるんだろ?


その時は、そんな事を考えてる余裕もなかった。


ただ、されるがままのマネキン状態…


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