会えた日~いつの日かの続編~
自分じゃ分からないけど、私の顔は真っ青みたい。


手術室で輸血をされままの私の横に、可愛い可愛い赤ちゃんが保育器に入れられてやって来た。


位置が赤ちゃんの方が少し高くてハッキリと見えなかったけど、涙が出た。


やっと会えた…


それだけ。


元気に生まれてきてくれて、ありがとう…


込み上げてくる思いを堪えきれず、ただ涙が出た。


それからすぐに、コウキと親が来た。


『大丈夫か?』


すごい形相で私の横に来た。


『うん。』


動く力も話す力も、あんまりない私だけど返事をした。


あんな顔して来られたら何か返事しないと、余計に心配しそうだもん。


『すげぇ可愛い。ホントにありがとう。』


私は黙って頷いた。


『よく頑張ったね。すごい大きい赤ちゃんだよ(笑)』


パパさんとママさんが嬉しそうな顔して言った。


『我ながら、よくやった…』


蚊が鳴くような声で私は答えた。


それを聞いて三人して笑ってた。


『親には連絡しといたから。やたらテンションが上がってた(笑)』


本当に無事に生まれてよかった。


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