こんにちは、バカップルです。
次の日は親父に強制送還。



まだこっちに残る芯を残して島に逆戻り。



イツキのヤツ、芯に手出したらただじゃおかねぇからな…。



新幹線を下りて船に乗ろうとした。



「君、ちょっといいかい?」

「はい?」



親父くらいの歳だろうか、スーツを来た大人の男に声をかけられた。



見せられたのは島行きの搭乗券。



「この券はこの船でいいのかな?」

「そうですけど…」



観光に行くとは思えない服装。



それ以前に島に観光名所なんか俺達カップルが作ったジンクスの自販機くらいしかない。



そのとき、後ろから歩いてきた品のある女が目に入った。



「あなた、船はこれでいいの?」

「芯……」

「えっ!?」

「あっ、すいません…。知り合いに似てたもんでつい…」

「今…『芯』って言った?」

「はい…?」



俺が答えた瞬間、ジワッと目に涙を溜めた。



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