こんにちは、バカップルです。
小さい頃に夢見てたママの匂い。



パパの大きな背中がここにある…。



手を伸ばせば掴んでくれる距離。



このふたりはあたしを思って泣いてるの?



やめてよ、勘違いしちゃいそうだから…。



「芯、行っていいよ」

「司…」

「どこにいても気持ちはかわんねぇよ」

「うん…ごめ…ごめんっ…」



あたしは司の手を離して両親に手を延ばした。



もう捨てられたりしない?



あたしに優しい顔で笑ってくれる?



「ごめんな芯っ…」

「うわぁぁぁぁぁん」



あたし、司と一緒にいたい…。



でも…この人たちとも暮らしてみたい…。



ごめんね司…。



「俺、帰ります」

「君、名前は?」

「司です。ちなみに、芯の知り合いじゃなくて彼氏ですけどね?」

「彼っ…氏……」

「お父さん、必ず芯をもらいに行きますから覚悟しといてくださいね」



そう言って司が部屋を出て行った…。



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