こんにちは、バカップルです。
暴れた手は押さえつけられてシートの上。



華奢に見えて片手で楽々押さえられる力…。



「イヤっ!!」

「ムリ」



服の中に入って来た手は冷たくてビクッと体が跳びはねた。



司…。



司が好きなのに!!



「いっ…」

「大夜さんなんか大嫌い!!」

「痛いな…って…。なにしてんだろ…ごめんココ…」



カギを開けてくれた車から飛び出した。



そこからどうやって家に帰ったのかは覚えてない。



実家の自分の部屋でただ泣いた。



あたしが悪かったのかも…。



好きだって言われてたのに…。



あたしが…。



大夜さんに甘えたのが悪い…。



「芯っ!!」



司が部屋に飛び込んで来たのは夜遅く。



きっとあたしが部屋にいなかったからだ…。



「芯…泣かせた…よな?」

「司…ごめっ…」

「ごめんな芯…言わなくてごめん…」



違うよ…。



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