トライアングル。
きっかけ
朋希にとって、
秋は憂鬱な季節だった。
体育祭が近づいている。
もちろん朋希は見学だから参加はしない。


見るのは好きだ。
だが、本音はやはり、
皆と一緒の事をしたい。
見学していれば、
楽しそうな
クラスメイトを
眺めていなければ
ならないし、
病気の事を
知らない子達は
訊くチャンスだと
群がるし。


そういう訳で
朋希はうんざりしていた。
(そんなに知りたいか?
下らない。
知ってもお前らに
何が出来る。)
ただ同情するだけなら
誰にでも出来る。
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