トライアングル。
「あいつ、元気良すぎるから
気を付けろよ。」

佑貴が言った。

「解ってる。
でも最近はおとなしい方だと思うけど。」

「油断は禁物だっていつも言ってんだろ。
何が発作の原因になるか
解らないんだし。」

「そうやって恐れて
何もしないのはもう嫌なんだよ。
十分避けてきたんだ。
好きなようにやらせてよ!」

朋希は部屋から出ていった。

「朋希!!」

佑貴の声が空しく響く。

佑貴はため息をついた。

(どうしてこうも
うまく行かないのだろう。)

本当はおめでとうと言ってやりたいのに、
心に反した言葉しか出ない。
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