トライアングル。
祈り
一方、美佑は泣きながら
教室に戻っていた。

(トモの馬鹿。何でそんな事言うの!?)

美佑はただ、
朋希と一緒に居たいだけなのだ。

一秒でも長く、一緒に居たい。

それは恋人ならば
誰でも思う事ではないだろうか?

なのに、
朋希の考えが違った事に
ショックを受けていた。

そのまま泣いていると、
涙も枯れて落ち着いてきたので、
帰ることにした。

その時だった。

「美佑ちゃん!!」

「…由乃ちゃん。」

「こんな所に居た。大変なの。
トモくんが倒れて
病院に運ばれちゃった!
一緒に行こう!」

「えっ…!?」

それからは無我夢中だった。

由乃と共にバスへ乗り、
病院まで向かった。

この時ばかりは美佑も
祈らずにはいられなかった。

たとえ喧嘩をしていても。
< 150 / 194 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop