トワイライト
 一方瞳子は結婚当初、崇晃の社長秘書をしていたのだが、結婚3年目あたりからいっこうに子宝に恵まれない事に焦りを感じて、瞳子は不妊治療に専念する為に会社の即戦力から離れ表舞台から退いた。

 その間、日向と理子の関係は何事もなく進み比較的穏やかに日々は過ぎていった。

 そんな忙しい日常と日向との満ち足りた日々はやがて理子の瞳子への憎悪をも心の奥底へと追いやって次第になりを潜めていったのである。

 そして又瞳子は結果的に10年以上もの長きに渡る不妊治療の成果が得られずに終止符をうち、再び崇晃の会社を手伝う事になった。

 だが瞳子が伯父である日向の元にその旨の報告に出向いた際、くしくも瞳子は理子と19年ものブランクを経て再び出会ってしまったのだ。

 その時それまですっかりとなりを潜めていた理子の瞳子への憎悪がこの久し振りの瞳子の出現によって再燃した……。
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