トワイライト

第４章-有の身代わり

　その日の夜美有のケータイに、蓮から身代わり依頼のメールが届いた。

「えっ？！蓮って誰？！」
　と思い美有はメールの文章を読み進めていくうちにそれが例の自分を有と言う女性と間違えた町村大雅（まちむら たいが）の専属探偵である事が解った。

　ちなみに蓮は美有に有が見つかるまでの身代わりを依頼してきたのだ。　条件としては忽然と消えた花嫁が見つかるまでの期間限定で、１日に付き３万円の報酬である。

　取りあえず期間限定でしかも報酬的にも割りの良い条件だったので、元来好奇心旺盛な美有は恋人の慎也と相談の結果蓮からの身代わり依頼を引き受ける事にした。

　事前に『町村大雅』の事を美有と慎也が調査したのだが、大雅は大手服飾関係の傘下（さんか）に属する中堅どころの父親司（つかさ）が代表取り締まり役を務める洋服製造販売会社『マチムラ』の跡取り息子だと言う事が解った。