トワイライト

「はい。はい。そうですか。解りました。では後1時間ほどしたらそちらに伺えると思いますので宜しくお願い致します」
　と言って美有はケータイを二つに折りたたんでバッグにしまった。

「美有約束は執りつけられたんだね」

「うん。なんか今日はたまたまオフの日だったみたいで伊吹さん家にいたようね。だから有さんの事を聞きたいと言ったら即ＯＫの返事を貰えたわ」
　
「そうか。じゃ急いで行こうか。僕車を出して来るから美有は此処でちょっと待ってて！」
　と慎也は言うと喫茶店の駐車場に急ぎ足で向かった。

　ちなみに伊吹隼人のマンションは都内から車で５０分程の郊外にあった。

　美有は途中で目についた小さな果物屋さんで手土産として無難なメロンを一つ買った。

　車は通勤ラッシュのピークを過ぎた時間帯だった為か比較的スムーズに進み渋帯にあう事もなく目的地である伊吹のマンションまで辿り着く事が出来た。