極上のキスをあたしに
「そういえば、君名前なんていうの?」
一ノ瀬先輩があたしの名前を聞いてきた
なんでだろ…?
「あたしは、嶋田…」「さくら」
へ…?!
なんと、佐倉があたしの名前を呼んだ
いきなり名前を呼ばれ、不覚にもドキッとしてしまう…
コイツ、なんで知ってんの!?
「お前なんで知ってんの?」
一ノ瀬先輩が、あたしが一番気になったことを佐倉に聞いた
「別に…オレ、帰る」
「あ、おい…!」
一ノ瀬先輩の呼び掛けにも振り返らず、佐倉はふてくされたまま帰っていった
「あいつが嶋田さん狙ってんじゃね?(笑)」
「ちょ、やめて下さいよ!!」
一ノ瀬先輩のジョークのおかげで、あたしはやっと笑顔になった
「笑ってるほうが可愛いよ」
「え……」
いきなりの一ノ瀬先輩のカミングアウトに、あたしは呆気にとられた
そして、その言葉をやっと理解し、顔が急に火照ってくる…
「あ…ありがとうございます…」
「あ、お世辞じゃないかんなー」
2人の間にいい雰囲気が流れた
ホントに素敵な人だなぁ…
モテるのもわかるカモ
「一緒に帰んない?送ってくよ」
「あ…え?!あたしですか!?」
さっきからキョドりまくりのあたし
でも、あたしがキョドってんのは絶対一ノ瀬先輩ねせいだよ……
「はは、嶋田さんしかいないっしょ!面白いね」
「いえ…」
「で、どする?帰る?」
嘘みたい…
あたしと一ノ瀬先輩が一緒に下校だなんて
一瞬絢奈の事が頭をよぎる
…別に恋愛感情ないからいっか♪
あたしは元気に
「はい!!」
返事をした