ロザリオとアイアンメイデン
第三章
「気分はどうだい?」
目を開けると白い天井が見えた。
満足げな顔で眺める白衣の男の顔には見覚えがある。あの日、軍服の男と一緒に来た男だ。
「気分は……悪くない」
体を起こしながら答える。
無意識にとった動作。
動かなかったはずの右腕が何の苦もなく動くことに、本来の機能を取り戻したことを知る。
長いこと煩わされていた体の痛みもない。
「よく目覚めてくれた、私のアイアンメイデン。新しく生まれ変わった気分はどうだい? 君の体の破損個所の修復。それと戦闘のために必要な人体改造。全て順調に無事終了したよ。新しいその腕も素晴らしいだろう? 私が独自で配分を調整した強度と柔軟性を併せ持つ特殊メタルを素材に、傷口も残らないよう再生機能のある人工皮膚を施した。痛みももう残ってはないだろう?」
「……アイアンメイデン?」