ロザリオとアイアンメイデン

 私を先頭に、武器を構えて、林から村の入り口へ入ろうとした時、不意に小屋の扉が開き人影が走り出た。

 ガチャリ、と静寂の片隅から聞こえた音に素早く反応した兵が、私の背後で銃を構える。

「待て……!!」

 それが一体なんの影なのかを、発達した視力ですぐに判別した私は慌てて声をあげたが、その時にはもう遅かった。




 轟く銃声。





 引き金はひかれ、小屋から出てきた小さな影が、弾かれたように跳ねて、倒れた――


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