ロザリオとアイアンメイデン
それを皮切りに始まった銃撃戦。
「やめろ!! 民間人がいるんだぞ!!」
子供に駆け寄ろうとする母親を、そのうちの一発がつらぬいて人影が倒れるのが見えた。
「なんてことを……!!」
「この状況で何をいってる!! おまえはわが国の守護天使なのだろう!? 民間人といえども敵と一緒にいて無事だったんだ。向こう側の人間に決まっている!!」
批難の目をむけた私に、年長の兵士は罵声を浴びせると自ら銃を片手に前へと身を乗り出す。木立ちの影から容赦なく構えた銃の引き金を引き続ける。
止められない。
どうしていいかわからず立ち尽くす私の目は、銃弾にさらされ次々と倒れていく家族にくぎ付けだった……
『母さん……レン……』