ロザリオとアイアンメイデン
第五章
次に私が意識を取り戻し、見たものは。地面に倒れた幾つもの死体。
敵も味方もなく切り裂かれ血に染まった、魂を無くした残骸が、土くれに赤黒い染みを広げている。
ナンダ コレハ……
茫然と目の前に広がる惨状を見渡し、何故かふと気になって、自分の手に視線を落とす。
『 ……!!』
どろどろとこびりつく粘液にまみれた手に握られた、血塗られた巨大な剣――
ゆっくりと視線を巡らせてみれば、全身に返り血を浴びていた。
『ワタシガ、ヤッタノカ――?』
思った瞬間。脳裏に蘇る、先ほど起こった出来事の記憶。
「――……っ!!」
声にならない悲鳴をあげ、その場に崩れ落ちる。