風の吹く町
行く途中、七海は尚翔に質問をした。

「尚翔くんはさ、
志望校どこにしたの?」

「桜ヶ丘。」

「ちょっと!
レベル高いじゃない。」

「そうかな?普通だと思うけど。」

「や、あたしから見たら高いよ。」

「そういう七海はどこにしたんだ?」

「桔梗館。」

桔梗館は桜ヶ丘よりは
下のレベルの学校だが、
私立の女子校である。

「女子校か。」

「うん、昔ママも通ってたんだって。」

「そか。」

話が続かなくなって、
代わりにしばらく沈黙が続く。

こつ、こつ、という
杖の音と靴の音が混じり合う。
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