風の吹く町
事を聞き付けた叔父が、
尚翔の部屋の前まで来た。

こういう時はいつも叔父が説得役に回る。

男同士の方が話しやすい
とでも考えたのだろう。

「ナオ、起きてるか?」

尚翔は返事をしなかった。

それでも叔父は諦めず、話しかけた。

「俺と話をしよう。
気が向いたら出てきてほしい。」

そして、部屋の前で座り込み、
待ち続けた。

尚翔もしばらく無視し
続けていたけれど、
心配になったのか、
ちょっとだけドアを開けた。

叔父は、部屋の前で眠っていた。

疲れているのだろうか。

そう思うと何だか
申し訳ない気持ちになった。

そして、叔父に毛布をかけて
尚翔は部屋に戻った。

(ごめん、叔父さん…。
明日はちゃんと話すから…。)

そう思いながら眠った。
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