風の吹く町
「はい。」

「ありがと。助かったわ。」

「先生っていつも一番上から
詰めて書くよな。」

「そうそう。
もう、毎回消すのが大変。
ちょうど尚翔くんが居てくれて
良かったわ。」

「どういたしまして。
困った時はお互い様。」

「うん。」

尚翔は杖を脇に挟み直すと、
洋祐に教科書を返して
教室を出ていった。

可憐は優しい尚翔の事を好きになってしまった。

(ライバルが七海かぁ…。
まさか好きになるとは
思わなかったけど。)

そんな事を思いながら席についた。
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