風の吹く町
ナツキの姿が見えなくなった頃、
尚翔はようやく可憐に説明し始めた。

「…あいつ、ナツキは
俺の元カノだ。
中2の時から付き合ってた。
怪我してすぐ別れたけど。」

「そうなんだ。」

「まったく、
どうやって学校を
突き止めたんだか。」

すると、可憐が言った。

「…ナオ、私ね。
あの人が来たとき、物凄く嫌だった。
ナオがあの人の元に
行っちゃわないかって、
物凄く不安だったの。」

すると、尚翔は
可憐の頭を優しく撫でて言った。

「大丈夫だよ、
俺とあいつはもう
関わらないって約束してる。
別れる時に約束させたんだ。
俺は可憐の事が変わらず好きだ。
あいつの元になんか
行ったりしない。
だから、心配しなくていい。」

「…解った。
私はナオを信じる。」

「ありがとう。
出来るだけ、
避けるようにするからな。」

「うん。」

尚翔は再び可憐の頭を
優しく撫でた。
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