風の吹く町
すると、ドアがノックされた。

誰かは簡単に
予想がついたけれど、
あえて訊いた。

「誰?」

「…言わなくても解るでしょ。」

「悪いけど、開けないから。」

「話したい事があるの。」

「俺には無いよ。」

「あたしにはあるのよ。」

「…解った。
手短に話してさっさと帰れ。」

そう言った尚翔は、
ドアを開けた。
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